味来食堂in新地町~僧食を学ぼう~【2017.02.20更新】

2017.02.20

平成29年2月20日午前10時から、福島県新地町の雁小屋地区集会所を会場に、
全国曹洞宗青年会(以下、全曹青)主催、新地町社会福祉協議会共催による精進料理教室
「味来食堂 ~僧食を学ぼう~」
が開催され、
僧侶は地元福島県から瀧澤会長ら3人、宮城県曹洞宗青年会から1人、
曹洞宗東日本大震災災害対策本部復興支援室分室から2人、
全曹青から河口教化法式委員長ら教化法式委員3人がスタッフとして参加。
一般の方は近隣また社会福祉協議会から18人が参加されました。
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精進料理の基本的なことについての話の後、
実際に調理場へ移動して精進出汁の話、大根やセロリの切り込み、和え物用の梅ペースト作りなどを行いました。
ここまで1時間弱の調理の後、一旦休憩となりお茶を飲みながら参加者の皆様で話が弾みました。
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休憩後は、すり流し用の白菜のみじん切り作り、風呂吹き大根用の味噌たれ作り、
蕪の千枚漬けを使った巻き寿司などを参加者全員で行いました。
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午後1時前、調理が終わり、5品の精進膳が完成しました。
・風呂吹き大根
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・湯葉サラダ
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・千枚蕪ずし
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・セロリの梅肉和え
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・白菜のすり流し
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全員で『五観の偈』をお唱えし、頂戴いたしました。
いただいた後には『普回向』をお唱えし、河口委員長と地元区長さんのご挨拶で午後1時30分頃解散となりました。
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岩手、宮城での開催を経て東北被災三県で最後の開催となった今回。
参加者の方がた同士の、時には井戸端会議のような、時には漫才のような、
話し声と笑い声が絶えない賑やかな会となりました。
また、料理人としての修行経験もある長尾師(宮城県曹洞宗青年会)による
素晴らしい包丁捌きから見本として出された「千枚蕪ずし」には参加者・スタッフ共に息を飲み、
神経を集中させて食材と向かい合っておられました。
参加された方からは
「普段はここまで、笑ったり話したり真剣になったりしながら食事を作ることはほとんどない。
皆と一緒にやることが、こんなに楽しいことだと改めて感じた。」
「いつもの調理は、楽に楽に、時間を短くするようにやっていたが、
精進料理のように素材や下拵えに手間と時間を掛ける料理は、
大変だけどすごくおいしかった」
と、沢山の感想をいただきました。

「精進料理」という、
現代の速い・手軽なファーストフードという傾向とは逆行する理念の中で
手間を掛け、時間を掛け、食べる人と素材の命に思いを向けること。
この思いを機縁に、東日本大震災七回忌供養の関連事業として、
岩手県釜石市、宮城県亘理町、そして今回の福島県新地町で「味来食堂」を開催し、
青年僧侶と東北の皆様が共に学び、調理し、頂戴いたしました。
青年僧侶と参加者、または参加者同士の共同作業や会話の中で、
それぞれに改めて様ざまな気付きや感動が生まれたように感じました。

【02.22追記】
参加者の方から、こちらの取り組みを紹介してほしいと要望がございました。
東北お遍路プロジェクト
ご関心のある方は、リンク先(新しくタブが開きます)で詳細をご覧ください。

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