平成30年 東日本大震災慰霊法要 各地での法要

2018.03.26

東日本大震災から7年、今年も全国曹洞宗青年会では、全曹青主催の法要だけでなく、各地御寺院様の法要にも例年と同じく随喜をさせていただきました。

■3月10日、11日 福島県成林寺様

3月10日、福島県成林寺様で、慰霊復興祈願逮夜法要が倉島会長の導師のもと行われました。まず本堂に於いて全曹青主催の法要がそして納経塔前に於きまして全日仏青主催法要が行われました。法要の後、成林寺御住職の久間泰瑞老師は「震災から7年を数えました。もう一度震災当時の姿勢に戻ることが大事かと存じます」とご挨拶をされました。倉島会長は久間老師の言葉を受けて、数年前にお亡くなりになった奥様の思い出に触れ、「支援活動中、事務所でいつもレトルト食品ばかり口にしていた我々を気にかけてくださり、お勝手口から惣菜を1品持ってきていただきました。本日は奥様の為にもお祈りさせていただきました」と挨拶しました。

翌11日の午前中、曹洞宗福島県青年会主催、東日本大震災慰霊碑供養が南相馬市で行われ、安達顧問、河口副会長が参加しました。南萱浜地区、鳥崎地区の慰霊碑、下渋佐地区の寄り添い地蔵尊を巡りました。どこも地震と津波の傷跡が痛々しく残り、7年の年月を経ていまだ拭い去れない災害の痕跡を感じさせました。

午後、成林寺様で、河口副会長の導師のもと、慰霊復興祈願納経諷経が行われ、復興祈願の写経用紙2400枚及び写仏用紙が奉納されました。河口副会長は、「震災の当初から、何度もこの地に足を運ばせていただいた。震災からこれまで、地元の住民の方やボランティアに訪れた僧侶それぞれが、一歩一歩この地で培ってきた活動とそこから来る思いを地元に持ち帰り、風化させず他の人々に繋いで欲しい」と挨拶しました。

■3月11日 宮城県角田市自照院様

午前11時から宮城県 角田市自照院様「活動の灯」前で慰霊法要をお勤めしました。

自照院様は震災発生後、青年僧侶による復興支援活動の拠点となったお寺であり、復興支援活動の継続を誓って第19期全曹青が「活動の灯」と名付けた石碑を境内に建立させていただいています。

石碑前で黙祷をささげ読経した後、倉島会長は「今日集まることのできなかった仲間達も全国各地で法要を勤め、心を寄せている」と語りました。
午後2時からは全日仏青主催の法要が、仙台市内の浄土宗 照徳寺様で行われました。照徳寺様は震災時の大津波が本堂の天井付近まで到達するほどの被害に見舞われたと檀信徒の方からお聞きしました。

導師は同会理事長を兼任する倉島会長が勤め、宗派を超えた僧侶と般若心経に妙法蓮華経、称名念仏をお唱えしました。

予定されていた全ての読経が終わった後は、震災発生時刻まで南無阿弥陀仏をお唱えいたしました。目を瞑り手を合わせて祈る姿、眉間にしわを寄せ声を張り上げてお唱えする姿、宗派を超えて集まった僧侶達はそれぞれの形で祈りを捧げていました。お参りの皆様とともに繰り返し唱えられるお念仏の大合唱は会場の空気を震わせるようなエネルギーに満ち溢れ、「鎮魂の力」を感じさせる清らかさに包まれていました。
震災発生時刻には海岸に向かい全員で黙祷をささげ、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしました。

法要終了後は記念写真を撮影し、本堂内で茶話会を開きお参りの皆様と語らいのひと時を過ごさせていただきました。

■3月11日 宮城県石巻市大川地区

今年も宮城県曹洞宗青年会(宮曹青)・全曹青共催の石巻市大川地区慰霊行脚が行われました。
宮曹青を中心に、山形・秋田、また遠くは三重・いずもから、合計約20人の青年僧侶が集いました。海蔵庵本院で出立諷経を行い、旧大川小学校に向けて、約5kmの道程をお経を唱えながら行脚しました。途中2カ所の慰霊碑の前で読経を行い、旧大川小学校においては、遺族会主催の追悼法要に随喜しました。

行脚中、山に響く鈴の音が心に残っております。風化を防ぎ、忘れない供養を続けていくことの大切さを改めて感じた行脚となりました。

■3月11日 岩手県宮古市常安寺様

東日本大震災から丸7年が経った3月11日、岩手県宮古市常安寺様に於いて「東日本大震災物故者追悼法要」が行われ、全曹青会員4名が参列いたしました。
当日は、マイナス8度という夜明けを迎えた宮古市内でしたが、法要が始まる10時30分には気温も上がり、震災以降初めてと思われるほどの晴天に恵まれた中、本堂内において全国各地より集まった僧侶20名程で厳かに法要が行われました。法要では、震災で亡くなられた80名近くの檀信徒のお名前をご住職自ら一人ひとり読み上げられ、ご遺族の皆様はそっと手を合わせておられました。法要後、ご住職からの挨拶では、まだまだ復興途中の現状と、未だに癒されないご遺族の心情、忘れることができない災害の大きさに、今後とも皆様と共に歩んで行く決意が述べられました。
私は、この3・11法要に参列させていただき、改めて、東日本大震災をはじめとする全国各地で起こる災害被災者に寄り添い、ともに歩み続ける事の大切さを実感いたしました。

■3月11日 岩手県釜石市常楽寺様

釜石市常楽寺様において慰霊法要が行われました。
檀信徒の皆様や、取材の方々が多く集まる中、午前中本堂で布教師金子謙三老師による法話の後法要が行われました。
参加された方々は法話に真剣に耳を傾け、法要では皆さん真剣に手を合わせておられました。法要後、常楽寺ご住職が「これからもこの法要を皆様と一緒に続けていきたい」と挨拶されました。

■3月11日 岩手県山田町龍泉寺様

午後より山田町龍泉寺様において法要が行われ、まず本堂で龍泉寺ご住職が導師をされ終わったのち境内に建てられた活動の灯の前に移動をしました。

午後2時46分に全員で黙祷を捧げた後、菅原副会長の導師のもと中法要をお勤めしました。
その後法要に参加された皆様と行茶を行い和やかな時間を過ごしました。

今回の法要に関しましては次回の全曹青広報誌「SOUSEI」181号に於いても報告させていただく予定です。
全曹青Facebookでは今回掲載させていただいた写真以外にも様々な写真を掲載しております。
合わせてご覧ください。

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