味来食堂(みらいしょくどう)~僧食(そうしょく)を学ぼう~

2014.02.13

はじめに

この企画は青年宗侶よる料理教室を、より一般の方々が参加しやすい形で開催すること目的とします。

素材そのものの味が生かされる淡味が中心の精進料理は、近年の食に対してのヘルシー・安全志向により、一層の注目を集めています。本企画は参加者と共に料理を作ると同時に、食材を大事に扱い、使い切る事により精進料理の思いを伝える事を目的としています。

また、受講に先立って法話の時間も設け、「有難い・勿体ない」・「いだだきます・ごちそうさま」の思いも伝えて行きたいと考えています。

命に繋がる食、味来食堂の想い

料理を作ることも、食べることも仏道修行のひとつです。

地球上のありとあらゆるものに命があり、植物にも命があります。感謝の心を持って、その「命をいただく」ことを意識しながら調理し食することは、飽食の時代に育った世代に改めて命の尊さを伝え、「命」と向き合える場を提供すると考えています。ケニア出身の女性環境保護活動家、ワンガリ・マータイさんは、平成17 年に京都議定書関連行事出席のため来日した際、日本語の「もったいない」という言葉を知って感銘を受けたと言います。日本語以外で、この「もったいない」に相当する単語・表現は見当たらず、ワンガリ・マータイさんは「MOTTAINAI」と表記し、その想いの敷衍に努められたそうです。

精進料理は食材の「勿体」を突き詰める作法です。食材を「使い切る」ことは、その食材を深く知り、多くの方々の手を経て、ここに至った事に「感謝」することの出来る場を提供します。平成25年11月、「和食」が世界無形文化遺産へ登録されましたが、実際には化学調味料の普及や、手軽なファーストフードが食生活の中心になろうとしています。

味来食堂は「和食」の基本である、「出汁」に注目して和食本来の「味」を伝え、日本伝統の食文化への理解を深める場を提供します。

味来食堂は「命」(人権)と向き合い、「感謝」(平和)の心を育み。「勿体」(環境)を深く理解しうるような事業展開を目指します。

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